はじめに
勉強、読書、映画鑑賞、動画視聴…
世の中には多くの学びのツールがあります。
”自己投資”として、インプットに多くのお金や時間を使っている方も多くいらっしゃるでしょう。
本を読んだり、映画を観たりして知見を広げる時間はとても有意義なものです。
学ぶことで「昨日の自分よりも成長した自分」になることもできるでしょう。
しかし、ここで皆さんに問いたいのは、
その学び、生かしきれてますか?
ということです。
インプットが自己満足に終始してしまうのは、非常にもったいないことです。
どれだけインプットの質を高め、量を増やすことができたとしても、アウトプットにつながらないことには、何も変わらないのです。
今回の記事では、「学びを生かす」というテーマで、学びを最大化するインプット・アウトプットのバランスについて検討します。
また、学びの効果を最大限に高めるアウトプット術についてご紹介していきます!
インプットとアウトプットどちらが大切?

インプットとアウトプットはどちらを重視すべきなのでしょうか。
インプットに偏りすぎてもアウトプットに結びつかなければ意味がないということについては、これまで述べてきたとおりです。
それでは、アウトプットで経験値を高めていくことが成長への一番の近道なのでしょうか。
このことについては、少々検討が必要です。
「一所懸命にやっています」
「昨日も徹夜でした」
責任感の強い若い世代には、毎日ヘトヘトになるまで働かないと仕事をした気になれず、時間をインプットに割くことができずに体力や精神力をすり減らして働いている方が多くいらっしゃいます。
これはいわゆる”根性論”というものです。
ある友人からは「休んでいる時間は罪悪感を感じる…」という言葉を聞いたこともあるほどです。
さて、こうして経験を重ねていけば成長することができるしょうか。たくさんの学びを得て、昨日の自分より良い自分を目指していくことができるでしょうか。
これは、アウトプットに偏っている典型的な例であるといえます。
1つ1つのタスクの質やスピードは”慣れ”によって高めていくことができるかもしれませんが、広い意味での成長には、この方法は遠回りであるといえます。
なぜなら、これからの時代に求められる人材は「与えられたタスクを素早くたくさんこなす」という大量生産・大量消費社会のものではなく、「新たな価値を生み出す」というクリエイティブな人材であるからです。
ここでは”若者”に焦点を当ててきましたが、ベテラン層には、
「苦労は買ってでもしろ」
というアドバイスをされる方がいます。
これは、「俺も若いときは苦労したんだ」などという理屈で新入社員を闇雲に頑張らせようというものですが、誤ったアプローチです。
なぜなら、部下や後輩の前に立ちはだかる壁は、先人である上司や先輩が過去に経験したものであることが多いでしょう。それを乗り越えたノウハウは、何のためらいもなく部下や後輩へ受け渡し、部下や後輩は先人という”巨人の肩の上に立って”、新たな時代の新たな課題に取り組んでいくべきであるためです。
アウトプットを過度に重視し、すべての世代が同じ課題解決を繰り返していては、わたしたちは進歩・成長することができないのです。
よって、インプットとアウトプットは「どちらが重要」というものではなく、成長を目指すのであれば、それらを車の両輪のように同時に回し続けることが大切なのです。
しかし、「インプット9割:アウトプット1割」のように、インプットに偏りすぎては活かしきれない部分があるのです。
それでは、具体的にどのような比率がよいのでしょうか。
ここは僕の持論なのですが、教員として子どもたちに指導する立場の経験則として、「アウトプットの比率が高い方がよい」ということは、確信をもっていうことができます。
インプット重視の「教え込み型」の授業では、身につくのは浅い知識のみであり、「主体的に活かす」という力は身につきません。
インプットとアウトプットの最適な比率をお示しするのは難しいのですが、「半分より多く、アウトプットのみに偏りすぎない」という意味で、
「アウトプット7割:インプット3割」 ほどを目指してはどうか、ということを提案します。
どちらにも偏りすぎない、絶妙なラインではないでしょうか。
実際には、現代の世の中には相当な量の”情報”が溢れかえっています。インプットする情報量は自然と大きなものとなっていくでしょう。
そのことも踏まえると、「7:3」という数字以上にアウトプットを強く意識することが必要であるとも考えられます。
アウトプットのアイデア

ここまでは、インプットとアウトプットについて検討し、「アウトプットを意識することの重要性」について述べてきました。
それでは、具体的にどのような方法でアウトプットをしていけばよいのでしょうか。
アウトプットについて整理すると、
- 話す
- 書く
- 行動する
の3つに分類することができます。
「話す」には「教える」「質問する」「雑談する」などのアプローチがあり、
「書く」には「メモする」「まとめる」「執筆する」など、
「行動する」には「試す」「練習する」「運動する」など、「話す」「書く」以外のすべてのアウトプットが含まれます。
最も効果的なアウトプット
最も効果的なアウトプットは「教える」「伝える」「執筆する」などの”相手意識”をもって行うタイプのものです。
自分だけしか読まない文章や、独り言が無意味であるとは言いませんが、”相手意識”の有無によって、アウトプットの”質”は大きく変わってきます。
また、”相手意識”をもつということは「他の人が読んだり聞いたりしてもよくわかるように仕上げる」ということです。
アウトプットする中で、自分の頭の中を整理し、知識を棚卸していくような作業が必要となります。その過程での学びが非常に効果的なものとなるのです。
僕自身、ブログやTwitterが「書く」、本業の教員として行う授業が「話す」という”相手意識”をもったアウトプットの場です。
スマートフォンの普及している現代では、 ”相手意識”を もったアウトプットのハードルは相当低いものになっています。
TwitterやInstagram、Facebook、YouTubeなどのSNSは今日からでも無料で始められますし、現在お読みいただいているブログも無料で始めることが可能です。
そして、ここが重要なポイントなのですが、
これらの”相手意識”をもったアウトプットは、他人に届く必要はない
ということを知っておかなければなりません。
むしろ、誰にも読まれなくても、届かなくても良いのです。
例えば、Twitterを始めてもフォロワーが1人もいなければ、ほとんどだれにも届くことはありません。
それでも良いのです。
「誰かに読まれるかもしれない」「誰かに届くかもしれない」という緊張感が、あなたのアウトプットの”質”を高めます。
これらの情報発信の多くは、匿名で始めることができますから、過度に内容を吟味する必要はありません。
”相手意識”をもったがために、それを恐れて発信しないということは、機会の損失以外のなにものでもありません。
恐れずに、一歩踏み出してみましょう!
まとめ
今回は、インプットに偏りすぎては成長することはできず、何も変わらないということについてまとめてきました。
最も重要なのは、
「変化」や「成長」とは、インプットをアウトプットに結びつけることで初めて生じうるもの
であるということです。
まずは、「アウトプットの機会を作る」ということから始めてみませんか?
もしかすると、それらのアウトプットがあなたの将来の収益につながるなんてことも、あるかもしれません。
すべては今日、今この瞬間にあなたが踏み出す”一歩”から始まるのです!
それでは!ありがとうございました!
【参考文献】
「学びを結果に変えるアウトプット大全」樺沢紫苑 2018
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