はじめに
投資と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。
お金を増やすために行うもの?何か新しい事業のために行うもの?
辞書的な意味を言うのなら、投資とは「利益を見込んで自己資金を投じるもの」です。
株式や投資信託を購入する行為がこれに当たります。
そして最近、よく「自己投資」という言葉を耳にします。
自己投資とは、その名の通り「自分に投資する」というものです。
知識を得たり、スキルを磨いたりすることで未来の自分に賭ける。
それが自己投資なのです。
今回は、そんな自己投資がこれからの時代に必須であるという点について解説していきます。
自己投資の重要性-テクノロジー編-
「自己投資の重要性」の最も根底にあるのは「あなたの仕事はなくなる」「今の子どもの65%は現在は存在しない職業に就く」という予測に代表される”テクノロジーによる置き換わり”に関する議論です。
このような話題は、誰しも耳にしたことがあるでしょう。
「自分は大丈夫だろうか?」
そんな漠然とした不安を抱えていらっしゃる方も少なくはないと思います。
しかしそういった人は「危機感をもっている」という点で、何も知らず(考えず)に生きている人よりも一歩進んでいるといえます。
逆にいえば、「この状況に何の危機感ももっていない」というのは、非常にまずい状況なのです。
それはなぜか。
これまでにも、多くの仕事は機械に取って代わられ、そのたびにわたしたちの社会には新たな仕事が誕生してきました。
ですから、「これまでと同じように過ごしていても何の問題もない」という主張にも納得できる部分はあります。
しかし、そう考えることは本当に正しいのでしょうか?
このことを検討するには、「過去に機械へと置き換わったタスク」について分析せねばなりません。
現在、電卓やパソコン、自動車など、様々な機械が行なっているタスクの本質をつかまなければならないということです。
これらの機械が行なっているタスクには、共通するポイントがあります。
それは、「人間の行動を機械に置き換える」という性質があるという点です。
電卓は手計算、パソコンは調べもの・資料作成(書くタスク)・表計算など、自動車や新幹線は移動のタスクをこなすものです。
このように、わたしたちの行っていた作業を機械に任せることで現在の便利な暮らしが実現されました。
多くの電化製品の発明・普及により家事労働の負担が減り、家事以外に費やすことのできる時間が大幅に増えたこともこのパターンに当てはまります。
「人間の行動を機械に置き換える」という性質とは、そのようなものです。
ここで改めて、これから起こる変化について考えていきましょう。
AIなどのテクノロジーよって引き起こされるイノベーションは、これまでの時代に起こったものとはかなり異質です。
なぜ異質といえるのか。
それは、AIやロボティクスが巻き起こすイノベーションが、これまでの単純な”行動の置き換え”という構造ではないためです。
洗濯機は洗濯を。掃除機は掃除を。計算機は計算を。自動車は移動を。
このような従来の”行動の置き換え”型のイノベーションについては前述の通りです。
しかし、AIが行うのはわたしたちの”行動の置き換え”ではなく、”知的活動の置き換え”という性質のものです。
つまり、「機械は単純な作業をこなす・人間は知的活動を行う」というこれまで当然のように考えられていた状況が大きく変化するということです。
計算機の発明によって”計算力”がそれまでのような価値を失ったように、AIの発達によって”考える”ということの価値が低下するということです。
厳密には、AIが行なっているのは”思考”ではなく”パターンの発見や特定・識別・予測”です。
しかし、そういったAI技術は誰もが行うことのできるような”思考”の価値を奪うものとなるでしょう。
なぜかといえば、AIには感情が(現時点では全く)ありませんが、実は人間の脳で行われていることも”パターンの発見や特定・識別・予測”と大きくは変わらないものであるためです。(余談ですが、AI研究が人間の脳のメカニズムを解き明かすという見方もあります)
「人間にしかできないタスク」が「機械にもできるタスク」へと変化するのです。
もしもAIやロボティクスなどのテクノロジーが、あなたの行っている仕事をより低コストで行うことができるようになれば、あなたは職を失うのです。
これはもっと先の話ですが、ドラえもんが本当に生まれた場合、「ドラえもんにはできなくてあなたにはできること」は一体どれだけあるでしょうか。
そういった意味で、単純なタスクをこなしたり、誰にでもできるような思考を働かせたりするだけでなく、「あなたにしかできない仕事」「あなたにしかできない思考」を行っていくことが重要なのです。
現状のあなたに、それができるでしょうか。
その自信がないのならば、自己投資を行い、あなたを磨いていくことが必要です。
自己投資の重要性-転職編-
終身雇用。
これは旧来の日本型経営システムです。
戦後日本では、「1つの仕事を定年まで続ける」という前提をもとに社会が構築されました。
そして、現在もこのような企業風土や価値観は色濃く残っています。
しかし、記事の冒頭でも述べた通り、多くの職はそう遠くない未来になくなります。
また、企業の平均寿命は30年にも満たないというデータは多く存在します。
つまり、現代においては終身雇用の前提は崩れ去ったといえるのです。
あなたの働く会社が突然倒産したとして、次にあなたはどのような職に就くのでしょうか。
次は、どんな職に就きたいですか?
しかし…もしかすると、あなたは職を選べる立場にはないかもしれません。
もしもあなたに、他の人にない知識やスキル、魅力がなければ、「どうにか雇ってくれる先を探す」という転職活動が始まるでしょう。
つまり、失業はあなたを困難な道へと陥れる可能性が高いということです。
しかし、もしもあなたが他の人にない知識やスキル、魅力をもち合わせていたのならば、状況は大きく変わってきます。
そういった人を欲しがる企業は多くあるでしょうし、あなた自身にスキルがあれば起業も選択肢に入ってくることでしょう。
あなたの”成長”は「選択肢を得る」という意味で”自由に近づくこと”を意味するです。
つまり、これからの時代に流されることなく、自らの力で歩んでいくことを望むのならば、自己投資を行い、あなたを磨くということが大切な要素になるということです。
まとめ
これまで述べてきた通り、自己投資はこれからの時代を生きる力を身につけるうえで非常に重要なものです。
これは自己投資が”意識高い系の人だけが行うもの”ではなくなったことを意味しています。
これに気づいた人はもう動き始めています。
しかし、自己投資を”意識高い系のもの”と考える風潮があることからもわかる通り、これはまだ主流な価値観ではありません。
つまり、今からでも遅くはないということです。むしろ早いともいえます。
自己投資が当たり前となり、ライバルに差をつけるには質や量が問われるというフェーズが始まる前に、「先に始めたという優位性」と「今始めたからこそ費やすことのできる時間」で勝負に打って出てみませんか?
それでは!ありがとうございました!
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