はじめに
最近、自己投資の重要性を訴える声が高まってきました。
自己投資とは、「自らのお金や時間を自分の成長のために投じること」です。
これは主に、読書や勉強、資格取得、副業など広い分野で経験を積むことを指しています。
有限のお金や時間の配分を、短絡的な欲求(食欲(必要以上のもの)、購買欲、性欲)を満たすためのものから未来の自分に投資するためのものへと移していくことの重要性が高まってきているのです。
なぜ自己投資の重要性が高まってきたのかについては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
重要性が高まった要因について一言で述べるのなら、「時代の変化への対応力を身に付けるため」ということになります。
この主張は、1つの企業に定年まで勤めることが難しくなったり、多くの職がなくなったりするという予測に基づいています。
今回の記事では、「自己投資の2つの方向性」をご紹介し、それぞれ検討していきます。
「自己投資の2つの方向性」とは、「欠点をなくす自己投資」と「武器を磨く自己投資」というものです。
このうちどちらか一方の道は、目指すべきではない”大きな間違いの道”です。
あなたのお金や時間、努力を無駄にしないためにも、この記事を参考にしていただけらたら幸いです。
欠点をなくす自己投資
まずは、「欠点をなくす自己投資」について解説・検討していきます。
「欠点をなくす」という言葉からもわかる通り、これはその名の通り苦手克服のための取り組みです。

上のモデルを例にとれば、「欠点をなくす自己投資」を目指す場合に行うのはスキルBを伸ばすための取り組みでしょう。
それでは、スキルBを平均レベルまで上昇させた場合、どのようになるか。
それがこちらです。

でこぼこのない、”均一化”されたあなたが出来上がりました。
果たしてこれは、自己投資の望ましい結果といえるのでしょうか。
あなたのスコアが平均スコアとほぼ重なっていることからもわかる通り、このグラフは”平凡”を意味します。
つまり、あなたが何かの分野で勝負に出たいと考えた場合、”強み”となる部分がないということです。
記事の冒頭では、「1つの企業に定年まで勤めることが難しくなったり、多くの職がなくなったりするという予測」についての話題を挙げました。
こうした変化に、でこぼこのないあなたは対応できるでしょうか。
これはまさに”器用貧乏”な状態なのです。
自らの成長のために行った自己投資のゴールが”器用貧乏”であるというのは、望ましい結末とは言えません。
しかし、日本の学校教育や社会は「欠点をなくす」という方向へと進んでしまいがちです。
算数の授業の場面を思い浮かべてください。
そこでは、苦手な子のペースに合わせた進度の遅い授業が行われ、「もっとできる」のに遅いペースに合わせなければならない数名の子どもたちがいます。
もちろん、「理解がゆっくりな子を置き去りにする授業」を行うわけにはいきませんから、このことはある意味では仕方のないことです。
しかし、アメリカなどの国では「優秀な子に対する特別支援教育」が行われていることも考えると、これはシステムの問題です。
日本の社会や文化には「欠点をなくす」という方向性が内在しているということです。
このことが、日本に”スティーブ・ジョブズ”が生まれない1つの大きな要因となっています。
武器を磨く自己投資
次に、「武器を磨く自己投資」について解説・検討していきます。
先にグラフでイメージを示します。

これは、先ほど「欠点をなくす自己投資」で示したモデルにおいてスキルBではなく、もともと高かったスキルAを徹底的に磨き上げたものになります。
これはもはや、”平凡”や”器用貧乏”とは程遠い状態です。
「あなたにしかできないこと」はたくさんありますし、転職や企業など、自らの手で多くの選択肢から道を選ぶことができるでしょう。
これこそが「武器を磨く自己投資」であり、自己投資の本質であるはずです。
ないものばかり数え、”でこぼこのないあなた”を目指すのではなく、良い意味で”尖ったあなた”を目指していきましょう。
まとめ
今回は、「欠点をなくす自己投資」ではなく「武器を磨く自己投資」を大切にしていく重要性について述べてきました。
しかしこれをそっくりそのまま信じることもまた危険な発想です。
なぜなら、今回述べてきたのは「欠点をなくす自己投資」ばかりに偏ってはいけないということであって、「欠点をなくしてはいけない」と述べているわけではないためです。
問題は、何にフォーカスするのかということです。
欠点をなくすことにばかり執着すると、行き着く先は”平凡”で”器用貧乏”なあなたでした。
そうならないためにも「武器を磨くこと」にフォーカスしていこうということなのです。
今回の記事をきっかけに、あなたなりに「欠点をなくす自己投資」と「武器を磨く自己投資」へのリソース配分を考えてみてください。
あなたが今、本当にとるべき行動が見えてくるはずです。
それでは!ありがとうございました!
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