はじめに
スマートフォンの誕生をiPhoneの発表以前に予測していた人はいませんでいた。
Appleの発表には相当なインパクトがありましたし、現在の世の中の”スマートフォンを中心に回っている”ともいえるような状況を見れば、影響力の大きさは近年で最大であったといえます。
スティーブ・ジョブズが起こした革新的なイノベーションは、どのように生まれたのでしょうか。
重要なのは、これほどのインパクトがあるiPhoneの誕生は「0→1」の発想ではなかったということです。
iPhoneとは、「音楽プレーヤー」「携帯電話」「ネット通信機器」が1つになったものにすぎません。
実際に、スティーブ・ジョブズもiPhoneの発表会見で、「これら3つを1つにしたもの」として紹介しました。
それぞれ独立して世の中に存在していたものを、1つの製品にまとめたからこそ、新たな価値が生まれたのです。
今回の記事で述べていくのは、「音楽プレーヤー×携帯電話×ネット通信機器=スマートフォン」のような”かけ算”の発想法こそが新たな価値やイノベーションを生み出していくということです。
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「カレーうどん」を生み出す
冒頭ではiPhoneを例として挙げました。
しかし、実現可能性を考えると、この例は少々難しく感じられたかもしれません。
これほどのレベルのイノベーションを簡単に生み出すことができるのであれば苦労はしません。
ただし、「iPhoneなんて自分には生み出せない」と諦めてしまうにはまだ早いのです。
よりシンプルな例を挙げて考えていきましょう。
ここでは、「カレーうどん」を取り上げます。
「カレーうどん」は「カレー×うどん」といういたってシンプルな”かけ算”によって生み出された食べ物です。
シンプルですが、定番の食べ物として確かに定着しています。
「昨日の残りのカレー」と「手軽に準備できるうどん」という食材が組み合わさって、「〇日連続のカレーは避けたい」という需要が満たされたことが定着の理由でしょう(もちろん、「美味しい」というのも重要な要素です)。
スマートフォンのような複雑で革新的な発想はできなくても、「〇日連続のカレーは避けたい」のような人々の思い(需要)にシンプルな発想で応えることができれば、新たな価値は生み出すことができるのです。
”かけ算”が需要を作り出す
ここまでは、「カレーうどん」が「〇日連続のカレーは避けたい」という思い(需要)を満たしたからこそ定着した、ということを述べてきました。
しかし、iPhoneについて考えると、iPhoneの発表以前に
「音楽プレーヤー・携帯電話・ネット通信機器が1つになったものがほしい」
という思いや需要は存在しなかったことでしょう。
しかし、現在ではスマートフォンに対する需要は相当大きなものとして存在しています。
このことが何を意味しているかといえば、iPhoneの誕生が新たなサービスや需要を生み出したということです。
他の例も挙げましょう。
任天堂のWiiは、それまでのコントローラーの常識を覆し、”Wiiリモコン”を使うことで誰でも感覚的に操作でき、ゲームにあまり親しみのない層にも大ヒットしたゲーム機です。
簡単な操作で楽しむことができる「Wii Sports」や「Wii Party」は、主婦や高齢層にも受け入れられ、”家族みんなで楽しめるゲーム機”という新たな需要を生みだしました。
感覚的に操作することが可能な”Wiiリモコン”が、ターゲットを主婦や高齢層にまで広げたことが画期的だったのです。
ここで注目したいのは、”Wiiリモコン”に用いられている技術は、決して新しく画期的なものではなかったということです。
”Wiiリモコン”に利用されている技術は、古くから使われている「加速度センサー」というものです。
「ゲーム機×加速度センサー=Wii」という”かけ算”が、”家族みんなで楽しめるゲーム機”という新たな需要を生み出したのです。
そして、任天堂が開発するものには成功作ばかりではないということにも注目しなければなりません。
どんどん新たなものを開発(試作)し、ヒット商品でそれらの投資を回収する。
これが任天堂の企業としてのスタイルなのです。
まさに、トライ・アンド・エラーです。
大きな価値をもつ”イノベーション”や”画期的なアイデア”は、こういった地道な延長線上においてのみ達成されるのです。
まとめ
今回の記事では、新たな価値を生み出すこと、そして革新的なイノベーションのカギは”かけ算”にあるということについて、まとめてきました。
繰り返しになりますが、新たな価値や革新的なイノベーションは、「0→1」的に生まれるものではありません。
”カレーうどん”を作るように、ある意味気楽に、”iPhone”を生み出すように、夢をもって発送していきましょう!
それでは!ありがとうございました!
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