【アスリートに学ぶ】「良い状態」の自分で勝負するコンディション管理

ライフスタイル

はじめに

あなたはどのような気分で学校や職場に向かいますか?

そして、どのような気分で過ごしているでしょうか?

日々の疲れやストレスから、あまり前向きな気持ちにはなれない…

そんな方もいらっしゃるかと思います。

少し前までは、僕にもそんな日が多くありました。

僕は教育に携わる職業柄、毎日数時間、人前に立って話す機会があります。

そこでの僕の役割は、「伝えること」「育てること」です。

しかし、憂鬱な気分で迎えた1日は、心も体も良い状態ではありません。

ネガティブな気分で、良いメッセージを伝えられるでしょうか?人を育てることはできるでしょうか?

それはできない

そう気づいた日から、僕は行動を改めました。

前向きで、上機嫌で、エネルギーに満ち溢れた状態の自分を保つことを大切にし始めたのです。

それはちょうど、アスリートが自分の体調をコントロールするのと同じようなイメージであると思います。

そもそも、細やかな体調管理がアスリートならではのものであるという発想自体が間違っているのだと思います。

心身の状態を意識的に管理し、自分を「良い状態」に保つことで、自分自身のパフォーマンスを向上させましょう!

そのことをマスターすれば、心身の調和のとれた豊かで幸福な生活を送ることができるのです!

なぜ「良い状態」が大切なのか

アスリートは心身の調子をきめ細やかに把握しコントロールします。

羽生結弦選手が演技前にイヤホンで自分の好きな曲を聴き気分を高めている様子を見たことがある方も多いのではないでしょうか。ONE OK ROCKの「完全感覚Dreamer」をノリノリで聴いている姿がテレビ番組で特集されたこともありました。

また、イチロー選手がバッターボックスに入る際のルーティンは誰もが知っています。

近年では、五郎丸歩選手の特徴的なルーティンが話題となったこともありました。

これらの行動はすべて集中力やテンションを高め、心の調子を整えるためのものであるといえます。

アスリートはなぜ、体だけではなく心の調子もコントロールするのでしょうか。

それは、心身とは車の両輪のようなもので、どちらかの働きが悪くなるとパフォーマンスが低下するためであると考えられます。

体の調子は良い。だけどメンタルはズタズタで何のモチベーションもない…。

このような状態で高いパフォーマンスを発揮するイメージをもつことそれ自体が難しいと思います。

逆に、

体の調子はあまりよくないけど、今日はやる気に満ち溢れている!なんだかいけそうな気がする!

と前向きでエネルギッシュな心をもつことができれば、わずかでもチャンスが見えてくる。そんなイメージをもつことはできるのではないでしょうか。

以上の例から、心の状態を保つことは、体の調子を整えることと同じかそれ以上に重要なことであるということができそうです。

ましてや、この記事をお読みいただいている皆さんの多くはアスリートではないでしょう。

であれば相対的に、「体の調子」よりも「心の調子」の重要性はより大きなものとなっているのではないでしょうか。

心を「良い状態」を保つ習慣を作ろう

ここまでは、自分を「良い状態」に保つことの重要性、その中でも、とりわけ「心の調子」が重要であるということを述べてきました。

それでは、「心の調子」を良い状態に保つには、どのようなことが効果的なのでしょうか。

イチロー選手のように、独自のルーティンをしてから職場や学校の門をくぐる…

確かに効果はあるかもしれませんが、あまり現実的ではないでしょう。

そこでここからは、誰もが実践できる「生活習慣」として、「心の調子」を保ち、高める方法についてまとめていきます。

  1. 睡眠時間を十分にとる
  2. 太陽の光を浴びる
  3. 前向きに妥協する

それでは、順に見ていきましょう。

睡眠時間を十分にとる

睡眠時間を削って仕事や勉強を頑張ってしまったり、SNSやテレビに夢中になってしまったりする方は非常に多いです。

短い睡眠は、心身に「睡眠負債」という形で蓄積されていきます。気づかないうちに自らの発揮できるパフォーマンスが大幅に低下していた…なんてこともありうるのです。

単純に「時間の長さ」だけに注目するならば、少なくとも「7時間前後」の睡眠時間を日常的に確保することの重要性が科学的にも明らかになっています。

また、睡眠は始めのうちが最も深く、レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しながら、時間の経過とともに浅くなっていきます。

このことが何を意味するかというと、「寝つき始め」の深い睡眠の質を高めることが最も大切であるということです。

具体的には、

眠る90分前には入浴をすませる」(体温を高める)

靴下を履いて寝ない」(熱を足から放出する)

※体温がひとたび上昇し、低下していく過程で眠気が訪れる。

眠る前の飲食は控える」(消化器官を休め、深い休息効果を得る)

日常的・過度な飲酒を控える」(アルコールは睡眠の質を低下させる)

眠る前の時間は強い光やブルーライトを避ける」(光によって、脳が覚醒し睡眠を妨げる)

睡眠時間は、人生の約3分の1を占めます。その質を高めることはすなわち、人生の質を高めることにつながるのです。

太陽の光を浴びる

太陽の光を浴びると、体内でビタミンDが生成されるということは有名な話ですが、もう1つ重要な物質として、セロトニンという物質が分泌されるということも知っておかなければなりません。

なぜならば、セロトニンは「鬱」や「やる気減退」の状態をもとに戻す”幸せホルモン”とも呼ばれる物質だからです。

先ほど、眠る前の強い光は脳を覚醒させ、睡眠の質を低下させると述べてきましたが、これは逆に言うと、朝の目覚めに日光を浴びることには、脳をすっきりと目覚めさせる効果があるということもできます。

本来、人間というのは「電気」が発明される前の相当長い時代を「朝日とともに目覚め、暗くなったら眠る」というリズムで生活してきたわけですから、これは自然なことです。

ですので、夜はスマートフォンなどに時間を費やしすぎず早めに眠りにつき、朝は日光を浴びて目覚めるという習慣が、心身の健康を高めることにつながる大切な要素であるということです。

前向きに妥協する

ここまでは一般的な話題に触れてきましたが、ここからは僕自身の経験も交えて、第3の方法「前向きに妥協する」について述べていきたいと思います。

前向きに妥協する」のイメージに最も近い言葉は「戦略的撤退」です。しかし、戦略的撤退とは近いようで少し違う概念ですので、その違いとイメージについてご説明していきます。

まず、「戦略的撤退」について確認していきましょう。

戦略的撤退・・・

敗戦を覚悟して、傷口が広がらないうちに撤退すること。 全体の戦況を不必要に悪化させず、長い目で見て勝利を得るために、戦術的には不利であっても一旦撤退すること。 一般的にも、態勢を立て直すためにとりあえず逃げることを指して用いられる。(ピクシブ百科事典より)

「傷口が広がらないように」「不利」「逃げる」などという言葉で説明されているように、この言葉はあまり「前向き」な文脈で使われるものではなさそうです。

ですので、「前向きに妥協する」とは少しニュアンスが異なっています。

僕の定義する「前向きに妥協する」とは、

自分を「良い状態」に保ち、高いパフォーマンスと幸福な人生を実現するために、自らの心身を過度に追い込まない行動指針。

です。

長時間労働をしたり、睡眠時間を削ったりするのではなく、自分を「良い状態」に保つことを最優先する。

具体的なイメージを挙げれば、

①今日の仕事を、「前向きに妥協」して早めに切り上げる。

②早めに仕事を切り上げることで、自分の時間を確保し、心身を回復する時間を作ることもできる。

③翌日のパフォーマンスが向上し、前日に早めに切り上げた分で進まなかった業務も時間内に行うことができる。

というサイクルを回していくということです。

僕が皆さんにお伝えしたいのはつまり、

仕事や勉強を早めに切り上げることに罪悪感をもたず、前向きに妥協していこう!

ということなのです。

まとめ

今回は、自分を「良い状態」に保つことの重要性について述べ、それを実現する方法論についてもまとめてきました。

この記事では、

  1. 睡眠時間を十分にとる
  2. 太陽の光を浴びる
  3. 前向きに妥協する

という3つのポイントに分けて考えてきましたが、心身の調子を整え「良い状態」を保つための方法はほかにもあります。

適度な運動、よく噛んで食べる、自然と触れ合う、動物やパートナーと触れ合う…

これらに共通することは、仕事やお金にとらわれすぎては実現できないことであるという点です。

前向きに妥協」し、幸福な人生を取り入れるための第一歩をここに踏み出しましょう!

それでは!ありがとうございました!

【参考文献】

「精神科医が見つけた3つの幸福 最新科学から最高の人生を作る方法」樺沢紫苑 2021

「スタンフォード式 最高の睡眠」西野精治 2017

「ゼロから”イチ”を生み出せる!がんばらない働き方」ピョートル・フェリクス・グジバチ 2019

「スマホ脳」アンデシュ・ハンセン 2020

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